信州Well-being有識者対談インタビュー Vol.6 谷川 秀美さん
今回対談するのはInternational School of Nagano代表栗林と、薬剤師であり一般社団法人ONE -PARK理事の谷川秀美さんです。対談インタビューでは ”地域のWell-being” をテーマにお話していただきました。
栗林:
最初に谷川さんが今されている事を教えてください。
谷川さん:
普段は薬剤師をしています。
世の中にはいろんな種類の薬剤師がいますが。その中で私は健康相談をしている家に生まれて跡を継ぎました。
それとは別に、一般社団法人ONE-PARKを運営しています。
栗林:
先にお仕事の話から聞かせてください。
健康相談というのは、普通の薬剤師とは何か違うところがあるんですか?
谷川さん:
病院や調剤薬局や製薬メーカーなど薬剤師は様々なところにいて種類もいろいろあります。
うちの家は予防養生を大切にしている薬局です。代々大切にしてきたことは「病気には原因があって結果がある」ということ、人間を尊重しています。そんななかで今私が立たされている状況は化学薬品を使った医療と予防養生の間にいる感じです。
これだけ医療が発達しているにも関わらず、病気が増えているのは何でなのだろうか。
何か調子が悪い時に、ドクターや化学治療に頼りすぎてしまっている現代人に自分を見つめる問いかけをするよう意識しています。
栗林:
何が原因でそうなってしまったのか、睡眠や食事やバランスとかありますよね。
谷川さん:
医食同源という言葉があるように、昔の人は自分を凄く大切にしていたように思います。
ですが、現代人は好き勝手にやって、どこかで問題に気づいているはずなのに、何かあった時にはドクターにすぐ頼ってしまう事が多いですよね。私の役目はドクターが処方した薬はもちろん出しますが、その時の会話の中で寝る前にスマホをずっと見ていませんか?マスクをずっと付けてますが苦しくありませんか?など生活の中での小さな問題から気づいてもらえるようにしています。
栗林:
先生や周りに病名をつけてもらう事で安心して、しょうがないと思ってしまうこともあるけれど、状態がおかしいということは、体が冷えていたりメンタルが原因かもしれないし何が思い当たることがないかまず自分を振り返って見ることが根本的な問題を解決する方法ですよね。
次にONE-PARKでの活動を教えてください。
谷川さん:
ONE-PARKでの活動というのは、私が生まれ育った頃の町は子どもと子ども達の伝統行事で溢れていました。
飴市だったり、さんくろう、あおやまさま、神社のお祭りといえば舞台を出して子供達がお囃子を演奏していたり、もちろん松本ぼんぼんだったり。全部子ども達が主力となってやっていて、それを大人達が寛大に見守ってくれていたと思います。でも今は地域に住む人達が忙しくなりすぎてしまっているように感じますし、近所の子と遊ぶ事も少なくなって、地域の近所の人とも接点があまりなくなってきていると思います。
自分の子供たちの為にも、もう一度自然な繋がりを作れる地域になるよう活動しています。
直近だとキッズカフェというイベントを開きました。本当の無農薬で地産地消のものを使って、子ども達にメニューを考えてもらって、作るところから接客、提供するところまで体験しました。
その時にこの活動は、私が普段仕事でしている事とライフワークでやりたい事がピッタリと重なっていると凄く実感しました。
今はまだまだ小さな組織ですが、コツコツといい輪の繋がりで広まっていけたらと思います。
栗林:
自分の描く良かったなと思う体験が、子供達にも実現されていってるんですね。
谷川さん:
正直、毎月活動している中で最初は子供達にやらせている感もありました。
でも本当に作りたいものは子ども達の自主性だったりして、大人が経験させたい事と子ども達のやりたい事が交わるのって凄くバランスが難しくて。
でも今回のイベントは最初はみんな恥ずかしくていやがったりしてみましたが、慣れてくると忙しくなるほど”めっちゃ楽しい!”と言ってくれたり、どんどん自分からチャレンジしてくれたりして、次のやりたいと思う事が描けてきました。
栗林:
これを読んでくれている方の中には、世界水準の教育だったり生き方だったり生活を意識している人がいますが、その人たちがこういう学びの場や生活の場がある事に関心を持ってくれていると思います。
何となく地方に行けば、都会に比べて地域の行事などが多いと思っていて、人が多いと思うが、実際は一昔前とは違うものになっていますよね。
行事なども大人がやっているから、親がいるからついてきたら楽しかったとか。
結局は、大人が環境づくりをするものですよね。
谷川さん:
凄く思うのは、社会の1番の基礎となる組織は家族だと思っていて、
いくら外でいい組織作りや良いことをしようとしても、自分の足元でそれができていなかったらそれは広がらないと思います。
例えば、家で子どもが話しかけているのにスマホを見ていたりだとか、そういう状況では外に出たとしても楽しめないと思います。序盤で話した「原因ありで結果あり」じゃないですが、
栗林:
家出の結びつき対応、子供への接し方というのがそれぞれの家庭で一人の人間として会話ができていれば、外に出てもいい関係を保てるという事ですよね。
谷川さん:
私がワンパークを始めたのも、子供たちと一緒にいる時間を作りたい、という理由づけの部分があります。”子供達と一緒に活動すれば一緒にいる時間ができる”というところからのスタートです。
それと、子供のうちから沢山の子たちとつながって欲しいという思いです。
栗林:
今すごくいいと思いました。
一緒にいたいから、企画を作って立ち上げてっていうのはすごく理にかなってると思います。
谷川さん:
自分ができる事、子供にしてあげられる事には限界があるので、ゆくゆくはみんなが繋がって何かあった時に助けあえる人が沢山いるような環境ができていければと思います。
今の自分も祖父母や父達が作ってくれた基盤があって、父の在り方があったからこそ地域の人に沢山助けられてきました。その環境を子ども達にも自然に受け取って欲しいと思います。
栗林:
縦や横の世代の繋がりだったり、今の谷川さんの活動もこれからの子供達の為に動いているという事がすごく分かりました。その姿勢を見ている子ども達はもうすでに受け取るものがあると思います。
今回はありがとうございました。
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