信州Well-being有識者対談インタビュー Vol.11
今回対談するのはInternational School of Nagano代表栗林と、合同会社CEO宮脇昇さんと山上賢治さんです。
栗林: みんなと一緒に良いものを作っていく事に意識をしている活動をされてると聞いて、お声をかけさせて頂きました。
お店を始めるようになったきっかけは?
宮脇: 山上は兵庫県出身なんですけど、スノーボードに来ていてて、ノリで居酒屋を始めました(笑)
栗林: 料理ができたんですね。
山上: 大阪でも働いていたので、調理師の免許は持っていて。27歳の時に、スノーボードの仲間が集まればいいかな位の気持ちでした。
栗林: それはここじゃなかったんですよね。
宮脇: ここじゃなかったです。
栗林:どんな場所だったんですか?
山上:ここから300m位の所で。中学校の同級生と、自分で起業するみたいな本を読んで、1から自分たちで作ってやりました。右も左もわからなくて、県外から来て、周りから変な奴が来たそうみたいな、叩かれたこともあって。売れたんですよね。遅くまでやっていて、若い人たちが集まれるところがなかったから、ものすごい集客できて。周りの飲食店からしたら急に来た奴らが、みたいなのがありました。コロナとかも踏まえながらやってく中で、とあるきっかけがあって、宮脇に出会って。
宮脇: 僕はもともと名古屋から帰って来たんですけど、人脈広めなきゃと思って。営業活動の一環としてイベントやるって言って。クラブイベントみたいなのを山上がやっていたバーでやらせてもらっていて。最初は、副業でって程度の気持ちでやっていたんですけど、コロナでいろいろやりにくくなって。
その中で大町だからチャレンジできない風潮を辞めたいなって言う気持ちが高まったんです。我々の会社のビジョンとして、”綺麗事がまかに通る世の中を共創する”。”自分のビジョンにチャレンジできる人を1人でも増やす”、と言うミッションを掲げたんです。我々もチャレンジして、地域の若い子はとかが、「あんな奴らでもできるんだ」のような存在になるといいなと思います。飲食とは人と関わる機会があり、今はそんな思いでやっています。
栗林: 自分たちがこういうものを届けたいってことを実現して、深掘っていく循環は、行動も結果も伴うだろうし、見てる人たちが「あそこなんであんなに楽しそうなんだろう」と言う印象を受けるだろうなって思います。楽だろうとは思わないけれど、がむしゃらじゃないっていうか。何か良いもの作ってるんだろうなって言う興味がわくんだと思います。
宮脇: もともと山上がこの地域でそのような存在で、みんな健二さんに会いに行っていた。僕たちの中では健二さんの知り合いであること、がステータスになっているような存在だったんですよ。あの人面白そうだねって感じで人が集まってきて、飲食業は人手不足と言われる。中でも健二さんと一緒に働きたいという人はいっぱい集まってくるっていう感じだったんです。今は現場に立つ事はなくなったんですけど、会社自体がそんなような立ち位置だったんです。
栗林:そんな中で大切にしてることってなんですか?
宮脇: 働いてくれている人たちが、ただお金稼ぐためじゃなくて、自分自身のしたいことの実現につながっていること。自分自身が生き生きしているような組織だったらいいなと思います。
栗林: それが続いていたらどうなるんでしょう?
宮脇: 田舎だからっていうことで、制限をかけてるところがあるように見えるんです。その中で新しい働き方とか、新しいチャレンジを大町って言う制限を取っ払ってやってもらえるんじゃないかなって思います。例えば会社にいる人は兼業はできなかったり、気持ち的に自分にはできないと思っている。地域の人が趣味とか新しいことを見出していくきっかけになったら。
栗林: なるほど、自分たちがそこに集中することによって、地域に影響を与えていくような存在なんですね。
宮脇: 山上は青年部の会長をやっていたり、JCの会長もやっていて、地域の経営者の方々とのつながりがあります。そういった意味でも、いろんな人たちから「今こんなことやってますよ」「こういうことやりませんか」と声をかけてもらうこともあるし、共同で発信するとか。青年部とかの発信の仕方も同じで、集まっても誰も何も言わなかったり、手を挙げなかったり。
山上: めちゃくちゃ変わりましたもん。青年経済人の集まりでも「質問ある人」と聞かれても、誰も何も発信しないんですよね。何も意見言わないし。自分たちで、「まず自分たちからできることをやっていこう」と言う話を(宮脇さんと)した後に、その会を改めて見てみたら….発信する事は恥ずかしいことじゃないってことを広げていくことができたら。特に新しい子たちが入ってきたときに先輩が静かだと文化が変わらない。
栗林: その山上さんならではの自然さというのが、この地では宝のような存在に聞こえて。そしてその自覚がある感じですね。
山上: そこしかないかなと(笑)人と接するのは嫌いではないし。自分の接し方が変わればみんな変わったりします。少数でもつながってくれて、少しでも輪が広がればいいかなって。
栗林: 大町ってどういうところで、自分たちのやってることってどんなことなんだと思います?
山上、宮脇: おおー(笑)
栗林: 私だったら見た感じ、北アルプスが好きとか、川がめちゃめちゃかっこいい、きれいとか。田舎っていう言葉が使われていたけど、家と家との距離がちょうど良い。クオリティーだなぁって思います。
山上: 地元の人は「何もない」と表現するんですよね。この街のことを。でもそれが素敵だと思っていて、でも何もない事はなくて、美しい景色があって…自分の捉え方1つで見方が変わるんじゃないかな。すごい良いものがあって、資源として青木湖、中津湖、木崎湖とか3つ湖があるのに何もないって事は無い。これだけ素敵なものがあるんだって発信できる。
栗林: 世界から見ても、憧れの場所だと思う。
山上:そうですよね。白馬が世界から注目されている場所なんで。その隣街の大町が同じような形態なのに、その水準になれないのか、それがすごい課題だと思う。これから目線を変えてどう発信していくか、大町もそういうところになれるんじゃないかと言う面白さはあると思います。
栗林: そう。ただ、きれいなんですよね。
宮脇: (笑)
山上: それが価値があるかって。地元の人は普通の中に溶け込んでいるから。電車に乗って窓から見える景色。すごく綺麗だとかとか。
栗林: 水準高すぎて、わからなくなってしまってるのかも(笑)
宮脇: 僕はそんなに山に興味ないんですけど、家族と南のほうに行った時に山を見て「大町の山すごいんだ」って感じたし、湖が3個あるって世界になかなかないって。資源としてはすごいんですけど、地元の人たちにしてみると、価値に気づけてないところも。自分たちが動いて、まだまだ掘り起こせるかなと思っています。
山上: 地元の人って閉鎖的な部分もあって、なかなか動けないのもある。白馬はうらやましいけど、自分たちは変わりたくない、でもお客さんは欲しい(笑)
栗林: いっぱい来ちゃうと汚れたりとか、迷惑になったりするイメージがあるかもしれないですね。じゃあその前に何をしておかなければいけないかとか、前もって準備するのはしたことがないと大変と感じるかも…
山上: そうそうそう。1回殻割って、普段と違うことやるって難しいだろうけど、そうやって変化していかないと、街も生き残れないんじゃないかと。
栗林: 素敵に改装された店内を見て、きっとクリエイティブな人たちの事業なんだろうなって思いました。事業スタートの勢いもですが、コミュニケーションを自分たちがまずとっていく、発信していく姿勢が素敵だなと思いました。本日はありがとうございました。