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ISN×企業 Vol.5

信州Well-being有識者対談インタビュー Vol.5 熊谷 善紀さん

今回対談するのはInternational School of Nagano代表栗林と、一級建築士で株式会社 Y建築設計代表の熊谷 善紀さんです。対談インタビューでは ”地域のWell-being” と “世界水準” をテーマにお話していただきました。

栗林:

信州にすでにいる子供たちの生活や学びに興味のある方たちに向けて、この地域がどんな場所でどんな人達がいるのか、という事を発信しています。

本日は熊谷さん事について教えていただけたらと思います。

よろしくお願いします。

熊谷さん:

僕は設計事務所をやっています。

今事務所にしているこの建物は大正13年の建物で、来年130年経ちます。

3,4年前にここにきたんですが、

松本のこの景色・景観、古い建物などを見て、守っていかなきゃいけないと思いました。

この建物は木造なんですが、耐震の補強をしていたり、実は下に床暖も入ってるんですよ。

古いものを活用したりリノベしたりするんですけど、”古かろう寒かろう”ではいけないと思っていて、昔のものを現代でも使えるように生かして再生するよう心がけています。

栗林:

チャーミングらしさを残していたり、松本らしさや古いものの良さを残しているんですね。

長野やいろんな地域で沢山の建物を手がけていますよね。

熊谷さん:

はい。安曇野には安曇野らしい良さがあると思いますし、里山には里山の良さがあって、そんな中で松本市内の街中の雰囲気がありますよね。

ついこの間、近くの通りに古い元呉服屋さんの土蔵があるんですけど、そこは壊してアパートになる予定の建物でした。

僕たちは古い建物を使えるようにして新しいオーナーさんにお届けして使ってもらうということもやっていて、そのことを嫁入り先と言っているんですが、この建物は壊す直前まで嫁入り先が見つかりませんでした。

なので、今回は特例注の特例で自分たちで購入して、リノベをする事にしました。今は鰻屋さんになっています。

基本的には街中の景観を残していくことが、ある種、建築士としての使命と思っています。

街を作っていくというのが今僕がやっている事です。

松本の子供たちに建築文化を伝えていかなければいけないと思っています。

文化が残った環境に身を置く事で自分の子供もそうですが、豊かに育ってほしいなと思います。

都会で建築に関わる人もいますが、私はやっぱり地方特有、地方発信のリノベーションをしていきたいです。

地方の古民家は今流行っていますしね。

栗林:

私たちの発信したい相手を考えた時に、熊谷さんは今1番気になる人です。

古民家というと扱いにくくて手間がかかるんじゃないかと思ってしまうけど、住みやすい古民家で心地よく快適に安心に過ごせる環境が全部揃っていますよね。

熊谷さん:

建築って4次元のものなんです。

3D+時間軸で4次元的に流れていて、

その場所の歴史や古い具合などは出そうと思って出せるものではないです。

古いものの良さは日本人のDNAに組み込まれてるのかもしれませんね。

栗林:

いま思いついたのは、移住場所として五常キャンパスのある四賀村などで素敵な古民家をリノベーションしておいて、借りられるようになれば、学校や明科駅も近いですし、とても簡単に快適に田舎移住が試せるようになるかもしれないですね。

もし傾いたりしている建物でも元に戻せたりするんですか?

熊谷さん:

五常の方にも歴史を感じるいい建物が沢山ありますよね。

傾いたり耐震が弱かったりしていても、全然治せますよ。

僕たちがリノベした鰻屋さんも傾いていたんですが、15cm持ち上げて家の基礎を作り直して綺麗になりました。

栗林:

ビフォーの写真を見せてもらうと、こんなに変わるのが信じられないですね!でもちゃんと面影は残してありますし、昔の建物を活用しているというのが見るだけで伝わります。

熊谷さん:

どうなるのかってイメージつかないですよね、

でも手を入れるとこれだけ変わるんだよというのを僕たちが示して、みんなに知ってもらいたいです。

わかってもらえれば古いから壊そうとはならず、手を入れて綺麗にして大切に残そうと考えてくれると思います。なので発信していきたいですね。

栗林:

同じお金をかけるとして、耐震とか暖かさ住みやすさが同じだったら新築とリノベーションどっちがいい?という選択肢が増えますよね。

熊谷さん:

古い建物だとしても耐震は担保しますし。古いから崩れてしょうがないよねという建物には安心して住めないので、古くても暖かくて、古くても頑丈な建物を作ります。

もちろん新築のものには新築の良さもありますけどね。選択肢の一つとして考えてくれると嬉しいです。

栗林:

ほんとに、熊谷さんのやっていることがウェルビーイングに溢れていると思いました。

自然も歴史も残る長野という地域で、暖かくリノベーションした施設で教育をしたいっていうイメージが今回私の中でさらに膨らみました。

らしさとか、すでにあるものの豊かさを再認識できました。

本日は本当にありがとうございました。

ー 企業紹介 ー

株式会社 Y建築設計

  • 390-0874 長野県松本市大手5-1-3
  • TEL/FAX 0263-50-8372 / 0263-50-8563